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雑記・コーティー・キャスという少女

「頭の中に寄生した宇宙人と
 友情が育めないとでも?」



 ひとりの子供がいるとしよう。黄色い髪、だんご鼻にソバカス、人の顔を穴のあくほど見つめる緑のひとみ、金持ちのはねっかえり娘、当年とっての十五歳。
 (中略)
 この子は数学もかじっている――そう苦労もせずに。それにしょっちゅう宇宙港をうろつき、声をかけてくれる相手と片っぱしから友だちになり、同乗をせがんだおかげで、いまでは十四種類の宇宙船の操縦系統をマスターしている。発育のほうはおくてで、胸の小さなふくらみは少年といっても通るぐらい。性教育を受けてはいても、恋だの性愛だのは、この子から見て、おとなたちが夢中になるばかげた遊びでしかない。だが、この子にジュニア宇宙服を渡してみたまえ、たった七十秒で装着完了、安全フックも含めてだよ。

  ――『たったひとつの冴えたやりかた』(原題:The Starry Rift)
  著 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
  訳 浅倉久志


 有名なSF小説の主人公、コーティー・キャスが登場したときの文章です。
 このコーティーという少女は、頭のてっぺんから爪先まで宇宙旅行のことしか考えていない女の子。誕生日プレゼントに貰った宇宙船を改造して、星空へと旅立つという冒険少女です。恋愛だなんだには全然興味なし!
 挙句の果てには、
 「あんたのいうような“幸福”は、そんなに感じたくないんだ」
 という台詞までいいます。
 ここでの“あんたのいうような幸福”は性的快楽を差し、脳に寄生する生物がサービス的にコーティーに感じさせるのですが、彼女は心底嫌そうに止めさせます。


 綿貫にとって理想の少女像のひとつが彼女、コーティー・キャスです。
 こんなことを書くと、SFファンからは「おい、どこに触れてるんだ、話について語れよ」などと怒られそうですが、そのあたりは他へ譲ります。
 とにかくも、コーティーにとっては男など眼中にない。
 ただ自分の宇宙船で宇宙を旅することしか考えていない。

 宇宙を目指そうという衝動は、人間以外の動物にはないものでしょう。
 すべての生物は地球で生まれ育ち、地球に対応してきた。なのに地球を置いて宇宙に飛び立とうというのは、これはいわば魚が地上を走りたがったり、鳥が海を泳ぎたがるようなものです。それまでの進化の過程を無視し、自らに宿る遺伝子の声を聴こうとしていません。
 コーティーの場合、それに加えて異性への興味もゼロです。
 恋愛というのもこれでなかなか本能的ですが、コーティーはそれも振り切っているのです。

 あらゆる穢れを纏わない少女。
 それがコーティー・キャスという女の子でありましょう。


 ところで、レイ・ブラッドベリの『R is for Rocket』の主人公、C・M・クリストファもコーティーと似ているところがあります。クリスは男の子ですが、やはり宇宙飛行士に憧れている少年で、志を同じくする親友レイフ・ブライオリと、暇さえあればロケットの打ち上げを見にいくような気質の持ち主です。
 SFの時代的に考えればクリスのほうがコーティーより昔の人間になりますが、考えてることと行動自体はコーティーとかなり近しいです。
 で、何を言いたいかというと、コーティーとクリスが出会ったらどうなるのだろうという妄想です。
 ブレストファイヤーでATフィールドは貫けるのか? という御題に似てます。

 クリスもまた女の子に興味ない少年です。
 そしてコーティーも男の子に興味がないです。
 けど、どちらも宇宙が大好きな少年少女です。
 このふたりが出会ったら、とても美しい光景が広がるような気がするのです。

 綿貫は、そういう二次創作も好きです。

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星八角ある子

Author:星八角ある子
或るライターの落描きブログ。
無尽に趣味へ走っています。
最近は地元ネタが増えています。

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