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元祖○○大将軍

暗黒大将軍というキャラがいる。グレートマジンガーの敵役だ。
後任は地獄大元帥である。どちらも名前がすごい。とんでもない自信が伝わってくる。

一方、仮面ライダーには死神博士・地獄大使というキャラがいる。
死神博士をWikipediaで調べたら妙に設定が細かくてちょっと面白い)
こちらもすごい名前だ。なんだかよくわからないが敵にしたくないオーラがある。

こういうのの元祖は誰かとなると、
侯景
なのだろうか。日本では「コウケイ」と読む。
だいたい1500年前に実在した、中国南北朝時代の武将である。それなりに重要人物で、一時的にではあるが皇帝を名乗ってたりする。しかしそんなことは彼のすさまじさの一面に過ぎない。

何はともあれ、これを見ていただきたい。
これは中国二十四史の一つ、『南史』の80巻、侯景について書かれている部分からの抜粋である。

十月 景又矯詔自加宇宙大將軍 都督六合諸軍事 以詔文呈簡文

もう一度。

十月 景又矯詔自加宇宙大將軍 都督六合諸軍事 以詔文呈簡文

宇宙大将軍

漢文は苦手だが、どうにか現代風に訳してみる。
「10月に、侯景はまた、簡文王からの詔として、宇宙大將軍・都督六合諸軍事の称号を授けさせた」
といったところか。「矯」は「いつわる」とか「ちからづくで」みたいな感じだ。
もっと砕けて訳すと、

侯景「王様、俺に宇宙大将軍の称号を与えろください」

簡文王は侯景の傀儡みたいなもんあり、要するに自称しているようなものなのだが、それは置いておこう。

宇宙大将軍ってなんだ?
わかった、アレだろ。昔と今は「宇宙」の意味が違うんだろ、そうだろ。調べてみよう。

:家 空間 ひさし 建物
時間 無限の時間

つまり、空間+時間で宇宙というわけか。「時空」のほうがニュアンス的に近いかもしれない。
じゃあ宇宙大将軍を現代訳すると時空大将軍……?
って一緒だろそれ! 時空も宇宙も変わんないよ!

なんだよ宇宙大将軍って!
先見の明がある意味ありすぎる!
1500年前にそんなことやられて、現代の人間が勝てると思うのか!
侯景将軍、21世紀でも人類は未だ宇宙を戦場にしておりません!

『南史』の80巻には、そのあとこう続いている。
簡文大驚曰「將軍乃有宇宙之號乎」
訳すとこんな感じか。

簡文王は大驚して言った。「将軍に宇宙の号があるのか?」

さすがの傀儡王様も、なんか引いてる
こんな一文をわざわざ入れたんだから、『南史』が作られた時代でも「これはねーよ」と思われていたんだろう。

ちなみに都督六合諸軍事の「六合」も「天地と四方」のことで、要するに「全空間」の意味らしい。
厨二すぎる。こんな称号を持つ人は敵にしたくない。といって味方にはもっとしたくないが。


侯景はさらにその2年後、皇帝を名乗ってるのが、現代の人間からするとよくわからんね。
皇帝>宇宙大将軍 なんだね。
どうも逆のような気がするのだが。
まあ、皇帝になった5ヵ月後に崩御なされてるから、どうでもいいね。


一応、『南史』巻80へのリンクを貼っておきます。
『南史』巻80
「宇宙」で検索すると、すぐ見つかります。
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元祖クーデレ

ヤマトタケルは元祖「男の娘」だという。なるほどそうかもしれない。
約2000年前から萌えを追求していた日本パネェというのには異論はない。

一方大陸のほうはどうなのかというと、こちらも当然負けていない。
今は兎も角、昔の中国はやはりパネェのである。

褒姒
日本では「ホウジ」と読む。
大体2800年前の人だが、知る限りの元祖「クーデレ」である。

古代中国では、最初から数えて「夏」「殷」「周」という三つの王朝がある。
(つっても領土は狭い。黄河の周辺の平原に興った国というレベルで、今の中国と同一視すると恥をかく)
彼女は三つ目の「周」、12代目の王の后だ。

さて彼女、かなりガチのクーデレで、なんと王の前で一度も笑ったことがなかった。たいそう美人だったそうで、王様はなんとか彼女の笑顔が見たいとあれこれ手を尽くしたが、ほとんど効果がなかった。

そんな折、間違いで緊急招集の狼煙があがる。
この狼煙は、いわば「えらいことになった! 将軍たち集まれぇ!」ということなので、忠実な諸侯たちは急いで王宮に集まったのである。何もないのに「うおぉー! 何事ですか王様ーっ!」と集まったわけで、ぶっちゃけドリフ。

これが王后である褒姒のツボに入った。勢いよくかけつけた諸侯・将軍たちの必死さが可笑しくてしかたがなかったのである。元祖クーデレ、ここに落ちたり。

ここまでならまだいいのだが、王様は調子に乗って、それからも何もないのにたびたび緊急招集の狼煙を上げるようになった。「彼女の笑顔が見たいから」とかなんとかかっこいいことを言ったのだろうが、集めさせられる諸侯たちはたまったものではない。「どうせまたフェイクだろ」とだんだんと狼煙があがっても無視するようになった。

あとはご想像のとおりである。ガチの戦が起こったが、味方が集まらなくて王様は死亡。
王后である褒姒がどうなったかは不明である。
これがきっかけで周王朝は滅び、春秋戦国時代へ突入していくのであった。


――補講――
要するに「狼少年」の話であるが、美女を絡めるあたりが中国伝奇らしい。
おそらく史実ではないだろうが、まあそんなことはどうだっていいのである。
とにかく彼女は元祖クーデレなのだ。と思う。
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星八角ある子

Author:星八角ある子
或るライターの落描きブログ。
無尽に趣味へ走っています。
最近は地元ネタが増えています。

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